1994 年 44 巻 6 号 p. 510-516
生産スケジューリングは, 互いに競合する複数の評価基準を同時に考慮した多目的問題として考える必要がある.このような多目的スケジューリング問題に対する効率的な近似解法として複合ランダム・サンプリングによる方法(MOCRSS)をすでに提案した.本報では, この方法が局所探索法の一種であることに着目し, より少ないサンプル数で精度の高い非劣解集合を得るためにMOCRSSの初期解決定法の改良を行った.新しい初期解決定法を用いた改良型MOCRSSを総処理時間最小化と最大納期遅れ時間最小化の2目的2機械フローショップ・スケジューリング問題に適用し数値実験を行った結果.改良型MOCRSSによれば従来のMOCRSSによる近似非劣解集合を大幅に改善した精度の高い近似非劣解集合が効率よく得られることがわかった.