1985 年 36 巻 3 号 p. 167-172
k(≧2)個の2項母集団のなかから, 2項パラメータp_iの大きい上位γ個(14≦γ≦k-1)を, 所与の確率P^*で選択するための一つの統計的選択方式について論じている.本論では, Sobel and Huyett〔7〕のγ=1の方式, すなわち2項パラメータの最も大きな母集団を一つ選択することを目的とした選択方式を, 上位のγ個の母集団を選択する方式に拡張している.γ=1の場合の選択方式を, 任意のγの場合に拡張するときの問題定式化の複雑さと確立計算上の問題点を解決するため, 本論では2項分布の問題を, 正規分布の問題に変換し, 正規分布の場合の解を逆変換して2項分布の場合の近似解を与え, その近似精度について述べている.