2015 年 65 巻 4 号 p. 311-319
情報システムやソフトウェア導入における発注者側の課題が指摘されている.本研究の目的は,ソフトウェア開発発注を行う技術者が,発注すべき機能選択を行うための手法提供である.提案手法は,重要度が設定された要求品質と機能を関連付け,開発実施時に選択される機能の組み合わせを整理する.重要度の高い要求品質をどれだけ充足するかを表す発注価値とコストを関連づけて可視化する.コストに対する発注価値が最も高い機能を選択することで,コスト効率の高いソフトウェア発注を実現させる.提案手法を無線通信業界の技術サービス支援ソフトウェアの発注事例へ適用し,重要度に適時性を考慮した発注価値と,発注価値を算出する際に扱う充足度を可視化する有効性を示す.