理論と方法
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研究ノート
プレイヤーの合理性と囚人のジレンマゲーム
行方 常幸行方 洋子
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1999 年 14 巻 2 号 p. 2_127-2_133

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抄録

 本稿では囚人のジレンマゲームにおいて、協調行動への志向を持つプレイヤーを明示的に仮定することにより協調行動を説明する。従来の自利にのみ固執するタイプに協調行動を志向するタイプを加えることにより、ある協調行動を志向するタイプの協調行動への貢献が示された。つぎに、平均利得を持つリプリケーター・ダイナミックスにおいて、時間の経過と共に、自利に固執するタイプが0%に近づき、戦略Sticky Tit-for-Two-Tats(STF2T)が増えることがわかった。さらに、自利に固執するタイプが駆逐されない新たな学習モデルを導入し、STF2Tの存在により協調行動を志向するタイプが増大することを示した。

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© 1999 数理社会学会
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