糖尿病
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第7回ヘモグロビンA1c精度管理調査について
富永 真琴牧野 英一芳野 原桑 克彦武井 泉青野 悠久子星野 忠夫島津 章三家 登喜夫桑島 正道田港 朝彦小野 順子
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キーワード: 標準化, Lot 2, 全国サーベイ
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2003 年 46 巻 12 号 p. 961-965

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抄録

日本糖尿病学会 (JDS) の「糖尿病関連検査の標準化に関する委員会」は, 2001年3月にヘモグロビンA1c (HbA1c) の新たな標準物質 (JDS Lot 2) を認証した. Lot 2の値はJDS Lot 1値を引き継いだ. 従って, 現状ではLot 1およびLot 2に基づいて作成された日常測定のための校正用物質 (これをLot 1およびLot 2トレーサブルなキャリブレータという) が混在している. この状況でも標準化が維持されていることを確かめる目的で, 第7回全国サーベイを行った. 2002年11月に約800の施設に4種のサーベイ検体 (凍結乾燥品2濃度, 液状凍結品2濃度) を送付し, 日常法でHbA1cを測定した. その結果, Lot 1トレーサブルキャリブレータに基づく測定は177施設, Lot 2トレーサブルキャリブレータに基づく測定は537施設で行われ, すでにLot 2トレーサブルキャリブレータに基づく測定が主流になっていた. Lot 1およびLot 2トレーサブルキャリブレータに基づく測定値の平均値の差は0.11~0.15%であり, ほとんど一致した. また, 全施設の測定値のCVは2.7~4.0%であった. 結論として, 現状の日本においてHbA1cの標準化は満足できるレベルで維持されていた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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