糖尿病
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インスリン治療NIDDMに対するα-グルコシダーゼ阻害剤の併用効果
渡辺 伸明福本 泰明難波 光義花房 俊昭松沢 佑次
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1996 年 39 巻 9 号 p. 679-686

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抄録

中間型インスリンの1日1-2回注射で一定期間観察し, それでもなお十分なコントロールの得られなかった入院治療NIDDM19症例を対象とした.α-グルコシダーゼ阻害剤 (アカルボース) を4週間併用投与し, 投与前後の血糖日内変動, 血中CPR (朝食前, 朝食後2時間), HbA1c, 1, 5-AGを測定した.朝食後血糖は投与前210±45mg/dlが投与後166±41mg/dlに (P<0.01), 昼食後は219±48mg/dlが168±61mg/dlに (P<0.001), 夕食後は237±49mg/dlが174±63mg/dlに (P<0.001), それぞれ有意な低下を認めた.HbA1cは投与前の8.6±1.7%から7.4±0.7%に (P<0.001), 1, 5-AGは投与前の4.8±3.5μg/mlから6.1±2.4μg/mlに (P<0.05) それぞれ有意な改善を示した.朝食前の血中CPRは投与前1.8±1.0ng/ml, 後1.8±1.3ng/mlと変化しなかったが, 朝食後2時間の血中CPRは投与前の3.8±2.1ng/mlから投与後は3.2±1.9ng/mlに有意な低下を示した (P<0.02).インスリン治療NIDDMにおけるα-グルコシダーゼ阻害剤の併用は食後の血糖上昇を小さくするとともに, 食事に対するインスリンの追加分泌を減少させることが示された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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