糖尿病
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膵insulin分泌には末梢血中insulinとC-peptideのいずれがよく近似するか
OGTTとIVGTTでの検討
浅野 喬二田 哲博漢 幸太郎二宮 寛山本 登士奥村 恂
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キーワード: 膵insulin分泌
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1993 年 36 巻 4 号 p. 269-275

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抄録

glucose負荷に反応する膵insulin分泌に対して, 末梢血中insulinとC-peptideの何れがより近似しているか検討した. 健常者10例に75 gOGTTと, 血糖を一致させたisoglycemic ivglucoseを施行し, また他の7例にIVGTT (0.59/kg glucose) を施行し, prehepatic insulin secretion (ISR) を算出した. OGTT時のISRは, basal 100%とすると, 15分値8±1.0倍と増加した. 血中insulin値は, ISR反応と差はなく血中C-peptideは, 15分, 30分値で有意の低値を示した. Isoglycemic iv glucoseでのISRに対応する末梢膵ホルモン反応は, oral glucoseの時と同じ傾向であった. IVGTTでのISRに対しても, 血中insulinは, 差がなく, 血中C-peptideでは3分から20分まで有意の低値を示した. 膵β細胞機能の評価には, 末梢血中C-peptideよりもinsulin測定がより近似していると結論されたが, 正確に評価するには, kinetic studyによる膵insulin分泌の算出が最もよい方法といえる.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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