糖尿病
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化膿性筋炎を合併したNIDDMの1例
近田 研伊東 克典山之内 国男前野 仁史篠崎 隆藤井 了西川 寿彦清水 省治加藤 克己
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1991 年 34 巻 12 号 p. 1071-1076

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抄録

化膿性筋炎は骨格筋におこる細菌性筋炎であり, 熱帯地方ではしばしば認められるが, 温帯地方では非常に稀な疾患である. 病因に関しては不明の点が多く, 症状に乏しい事から診断に苦慮することが多い. 一方, 血糖コントロール不良糖尿病患者は宿主免疫能低下や白血球機能不全の存在のため, 細菌感染症のリスクは高い, 今回, 著者らはケトアシドーシスの治療後, 右脊柱起立筋の化膿性筋炎と診断し得たNIDDMの症例を経験したので報告する. 本症例は, 海外渡航及び滞在の経験はなく, 患部の疹痛, 腫脹等局所所見も非常に乏しいものであったが, 37℃台の発熱, CRP陽性所見などが血糖のコントロール後も続きCTスキャン, ガリウムシンチグラムにて右脊柱起立筋の化膿性筋炎と診断し得た. 抗生物質の投与による治療後, 食事療法のみで良好な血糖コントロールが得られた. このことから, 化膿性筋炎とケトアシドーシス発症との間に何らかの関連が存在することが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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