糖尿病
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糖尿病患者における血中CPR反応からみたケトン体値について
久保 一紀三家 登喜夫里神 永一木村 茂野村 佳成森山 悦裕近藤 溪南條 輝志男宮村 敬
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1985 年 28 巻 10 号 p. 1113-1117

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抄録

糖尿病 (DM) 患者において, 空腹時血清総ケトン体 (TKB), アセト瀕酸 (AcAc) および3-ヒドロキシ酪酸 (3-OHB) をジアゾニウム法にて測定し, DMにおける測定意義について検討した.
1. DM患者ではTKB, AcAc, 30HBおよび3-OHB/AcAc比いずれも健常者群に比べて有意な高値を示した.またType II DM食爆1療法単独群の血糖コントロール良好な者でも同様に高値を示した.
2. TyPe II DM患者のTKB, AcAぐC, 3OHBは血糖コントロール不良の者や遊離脂肪酸高値の者またインスリン分泌能 (ΣΔCPR 120') の低下している者で, より高値を示した.
3. DM 患者のTKB, A`CAc, 3OHBはグルカゴンとインスリン (IRG/CPR) のモル比と有意な正の欄を示した.
以上より, DM患者における空腹時血清ケトン体値はDMコントロールの指標の1つとして有用であることが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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