糖尿病
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Plain Charcoal法による血中インスリン測定法
Dextran Coated CharcoalとPlain Charcoalのインスリン吸着の比較について
浅野 喬佐々木 悠西田 香苗奥村 恂結城 美代子
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1975 年 18 巻 5 号 p. 468-476

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抄録

dextran coated charcoai (以下dextran charcoalと略) によるinsulin radioimmunoassayは, すでに確立された血中インスリン測定法であり.広く使用されているが, 最近dextran-coatin無の作用機序, すなわちmicro spongeのsieving actionについて疑問がもたれ, free insulinを吸着する部分をもsievingしてしまう可能性が報告された.私どもは, dextran charcoalとplain charcoalについて, free insulinの吸着性を比較検討した結果, 両者には明らかな差は認められなかった.血清を添加した場合にも, 吸着性には両者の間に差は認められなかった.freeおよびbound insulinを分離する際のplain charcoalの至適濃度の検討を行ったところ, 血清0.1mlを加えた状態では, 至適濃度は最終濃度0.17%であることが明らかとなった.
plain charcoa1法の条件を設定し, 本法を用いて血漿インスリンのradioimmunoassayを行い, 回収率, 再現性ともに満足すべき結果が得られた.
本法は簡便であるとともに経済的にも安価であるなどの利点があり, 実用性に富む方法であることを確かめた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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