糖尿病
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コメディカルコーナー・原著
2型糖尿病患者の栄養表示の活用と血糖コントロールとの関連
遠藤 和子谷口 千絵小島 由香理黒澤 寿子一河 美幸伊藤 暁子成田 伊紀岩本 安彦
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2006 年 49 巻 11 号 p. 885-891

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抄録

本研究の目的は,2型糖尿病患者の栄養表示への関心・活用の実態と問題点および学習ニーズを血糖コントロールとの関連から把握することである.方法は,外来受診患者142名を対象に,自記式質問紙を用いた.倫理的配慮として,研究の主旨,基礎データのカルテからの把握,調査拒否により治療・看護に影響しないことを口頭で説明し同意を得た.分析は,HbA1C「6.5%以下」,「6.6~6.9%」,「7.0%以上」の3群に分け傾向をみた.結果は,栄養表示に「関心あり」,「活用する」ともに全体の9割であったが,食事療法への活用は3割と低い.活用する食品は,加工食品・レトルト,飲料に多い.重視する栄養素はエネルギー,糖質が各群とも高く,塩分は6.5%以下群に,脂質は7.0%以上群に低く有意差がみられた.食物繊維,Ca, Fe等は全体に活用が低い.この理由には必要量を把握してないことが考えられ介入のニーズを示した.

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© 2006 一般社団法人 日本糖尿病学会
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