胆道
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原発性硬化性胆管炎と類縁疾患Updata
滝川 一
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2007 年 21 巻 5 号 p. 642-646

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抄録

原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis; PSC)は肝内外の胆管の線維性狭窄を生じる進行性の慢性炎症疾患であり,自己免疫の関与が示唆されているが詳細は不明である.これまでの全国調査で,わが国のPSC患者の年齢分布には2つのピークが存在し,若年者には炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease; IBD)を合併した典型例が多いのに対し,高齢者のピークには自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis; AIP)に伴う硬化性胆管炎が含まれていた.AIPに伴う硬化性胆管炎は規在ではPSCとは区別されている.近年,AIPに類似した膵病変を伴わない硬化性胆管炎の存在が知られるようになった.今後IgG4関連硬化性胆管炎とも呼ばれ,AIPと同じ範疇に含まれると考えられる疾患の実態を明らかにする必要がある.

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