胆道
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胆嚢管癌8切除例の臨床像と画像診断
小山内 学真口 宏介浦田 孝広松崎 晋平中原 和之潟沼 朗生高橋 邦幸桜井 康雄安保 義恭道家 充
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2006 年 20 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

胆嚢管癌8切除例について, 術前画像診断を中心に検討した. 対象は全例男性で平均年齢は67.5歳, Farrarの診断基準を満たすのが2例, 広義の診断基準を満たすのが6例であった. USでは腫瘤の直接描出は難しいが, 胆嚢腫大75%, 胆泥貯留を63%に認めた. CTでは腫瘤描出あるいは三管合流部付近の片側性壁肥厚を63%に認めた. EUSは88%で胆嚢管内の腫瘤像の指摘と周囲臓器との関係が把握可能であった. ERCでは広義の基準を満たす6例全例に胆管壁外からの圧排や軸変位を伴う狭窄所見がみられた. IDUSは, 88%に腫瘤像の描出が可能であったが, 2例では腫瘍が胆管へ広範に進展しており主座の同定が困難であった. US, CTで胆嚢腫大, 胆泥貯留, 三管合流部付近の片側性壁肥厚についてEUSで評価することが有用であり, これに他の画像診断情報を加えることにより自験例の術前診断正診率は88%(7/8)であった.

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© 日本胆道学会
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