胆道
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胆嚢結石による急性胆嚢炎に対する経皮経肝的胆嚢穿刺吸引術の有用性
久津見 弘信谷 健太郎池澤 聡西田 憲生塩見 英之葺屋 悦子鈴木 隆裕船津 英司増田 清士畑 和憲中村 英樹奥山 祐右木村 浩之八木 信明栗岡 英明藤本 荘太郎
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2004 年 18 巻 2 号 p. 132-137

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抄録

胆嚢結石による急性胆嚢炎に対しPTGBDが行われることが多いが,患者ADLの制限を伴い,チューブ留置に伴うトラブルの危険や,高齢者での痴呆誘発など問題も多い.一方,経皮経肝的胆嚢穿刺吸引術(PTGBA)はそのような危険性はないが,有効性についてはいまだ周知されていない.今回PTGBAを施行した94例の治療成績を検討した.その結果, PTGBA 1回のみで軽快したのが78例(82. 3%)であった. 残りの16例のうち,再度PTGBAを要したのは8例で,そのうち1例は3回目のPTGBAを要した.残る8例はPTGBDを施行した.最終的に待機的胆嚢摘出術が行われたのが59例で,緊急手術を必要とした症例はなかった.残る35例は併存疾患のため経過観察となった.これらのうち,追跡可能であった18例の内2例が他病死,1例が1,815日後に再発した.それ以外は再発なく経過している.PTGBAは急性胆嚢炎に対し,第一選択になると考えられた.

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