2017 年 31 巻 2 号 p. 246-251
症例は76歳,女性.切除不能悪性肝門部胆道狭窄に対して胆管内金属ステント(self-expandable metallic stent:SEMS)が留置され,留置後に急性胆嚢炎と右区域性胆管炎を発症し当院紹介となった.PTGBDを施行し,急性胆嚢炎はコントロールされたが胆嚢管の高度流出障害のためPTGBDチューブを抜去できなかった.内瘻化目的に超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ(EUS-guided gallbladder drainage:EUS-GBD)を施行し胆嚢の内瘻化に成功しPTGBDチューブを抜去しQOLが良好に保たれ退院可能となった.切除不能悪性胆道狭窄のSEMS留置症例における胆嚢炎治療としてPTGBDチューブ留置からのEUS-GBDによる内瘻化は有用である可能性がある.