医療マネジメント学会雑誌
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診療時間・担当医師の継続性と外来患者の病院利用満足度
尾藤 誠司町田 文子朝日 高子鈴木 紘一
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2002 年 3 巻 2 号 p. 298-303

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抄録

目的: 今回我々は外来患者の病院利用に関する満足度と, 外来における待ち時間や医師の診療時間, 継続性などとの関連について横断的な観察を行い検討した。
方法: 小児科受診患者以外の全再診外来患者1500名を対象とした。医師の診察時間は, 〈1〉5分以内, 〈2〉5-10分, 〈3〉10-20分, 〈4〉20-30分, 〈5〉30分以上, の5段階評価とした。患者満足の評価として, 3つの下位尺度 (医師への満足: 以下PSMD・看護婦への満足: 以下PSNS・一般的満足度: 以下PSGN), 14項目からなる患者満足度評価尺度 (PS尺度) を作成した。
結果: 「本日の医師の診察には満足されましたか」という質問に対して, 86%は「非常に満足」もしくは「満足」と答えていた。診察時間別の比較において, PSMD・PSNS・PSGNスコアともに診察時間5-10分, 10-20分の群において有意な高値を認め, 診察時間20分以上の群で低い値を示した。また, 毎回同じ医師が診察していると答えた患者はそうでない患者に比較してPSMD・PSGNスコアともに高い満足度スコアを示した。
結語: 外来診療サービスを患者満足の面からより質の高いものにするために, 患者一人に対し一定の診療時間をとることができるような診療体勢を持っこと、さらに同一の医師が継続して診療することの重要性が示唆された。

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