日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
急性期病院における誤嚥性肺炎患者へのリハビリテーション介入が在宅復帰に与える影響
今岡 信介佐藤 浩二森 照明
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2017 年 18 巻 2 号 p. 85-89

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抄録

 誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia:以下AP)に対する早期リハビリテーション介入の効果として、全身状態や心身機能の改善に寄与することが報告されているが、在宅復帰との関連性に関する報告は少ない。本研究では、AP患者のリハビリテーション介入が在宅復帰に与える影響について検討した。

 対象はAPの診断で入院しリハ処方のあった221名中、死亡退院、入院前のADL状況が全介助の者を除く107名とし、年齢、性別、在院日数、Barthel Index、平均提供単位数、認知症の有無、血清アルブミン値、Body Mass Index、栄養摂取方法、移動能力を後方視的に調査した。分析は、在宅群、施設群に分類し2群間の比較において有意差を認めた項目についてロジスティック回帰分析を行った。結果、認知症の有無、栄養摂取方法、リハ提供単位数、移動能力の4項目が選択された。在宅退院に向けては、リハ提供単位数、認知症の有無、移動能力、栄養摂取方法が重要な要素であったがその中で、リハ提供単位数が高く影響していた事は興味深い。今後、高密度なリハサービスを提供する上では、介入方法の検討と併せ療法士の増員などハード面への働きかけが必要と考えられた。

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