The Journal of JASTRO
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直線加速器の超高圧X線を用いたCT撮影装置 (超高圧CT) の開発
中川 恵一青木 幸昌赤沼 篤夫小野木 雄三唐澤 克之寺原 敦朗馳沢 憲二佐々木 康人
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1991 年 3 巻 4 号 p. 265-276

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抄録

ライナックの4MVおよび6MVの超高圧治療用X線を用いたCT画像撮影装置を完成した.タングステン酸カドミウム製シンチレータにフォトダイオードを組み合わせた素子120個からなる検出器をライナックのガントリーに対向して, 線源から160cmの位置に装着し, 回転照射の要領で撮像する.画像再構成はエンジニアリングワークステーション上でフィルタ関数逆投影法によって行う.撮影時間は1スライスあたり35秒, 画像再構成時間は約1分である.空間分解能は約4mmと劣るが, 治療計画及び照合に実用可能な画質を有すると考えられる.被曝線量は4Mv, 6Mvx線に対してそれぞれ約1.4cGyおよび2.8cGyであり, 放射線治療を受ける患者が照射野に被曝する線量としては容認されるものと思われる.超高圧X線CTを用いることにより, 患者セットアップの誤差が容易に検出できる.また, 超高圧CTを治療計画用に用いることにより, CT寝台から治療機寝台への患者の移動によるずれを解消できるため, セットアップの誤差を大幅に減少させることが可能である.本システムは高精度放射線治療の有用性を高めると考えられる.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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