形態・機能
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原著論文
ヒト手根の屈曲と伸展が前腕回内力に及ぼす効果
佐藤 孝史佐藤 寿晃小西 有美子長沼 誠鈴木 克彦成田 亜矢藤井 浩美橋爪 和足内藤 輝
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2011 年 9 巻 2 号 p. 59-63

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抄録

手根の屈曲と伸展が前腕の回内力に及ぼす効果について調べた。健常男性8名の右上肢を対象に、前腕回外90°(回外位)、60° (S60°)、30°(S30°)、0°位(中間位)で手根の力を抜いた状態(RP)、最大屈曲(FP)および最大伸展(EP)した状態で行った等尺性収縮による回内の最大力を計測した。RP、FP、EPにおける回内力は、回外位ではそれぞれ8.3±1.8(平均±標準偏差)、10.2±2.2、5.7±1.4 kg、S60°で6.9±1.8、8.0±2.3、4.8±1.4 kg、S30°で5.1±1.3、4.8±1.3、3.3±1.0 kg、中間位で3.5±0.8、3.0±0.8、2.1±0.6 kgとなり、どの前腕肢位でもEPの回内力が小さかった。また、RP、FP、EPの回内力いずれも回内に伴い減少した。RPの回内力を100%とすると、回外位、S60°、S30°、中間位で、FPの回内力はそれぞれ124±7%、116±8%、95±23%、86±12%、EPの回内力は68±10%、71±17%、64±14%、61±20%となり、FPの回内力は回外位とS60°で大きく、EPの回内力はどの肢位でも小さくなった。回内力は手根の屈曲により増加、伸展により減少することが示された。

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© 2011 コ・メディカル形態機能学会
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