日本小児外科学会雑誌
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症例報告
小児腟内異物の2例
児玉 匡阪 龍太井深 奏司黒田 征加今福 紀章細木 瑞穂白河 伸介山下 定儀山本 暖
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キーワード: 小児, 腟内異物
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2021 年 57 巻 3 号 p. 700-706

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抄録

腟内異物はあらゆる年齢で起こりえるが,小児ではまれである.われわれは2例の腟内異物を経験したので報告する.症例1は11歳女児.10か月前から悪臭を伴う帯下を認めていた.右下腹部痛を訴えて前医を受診,CTで腟内異物を疑われ当院紹介となった.腹部超音波検査(US),MRI検査から子宮頸部の絞扼が疑われ緊急手術を行った.全身麻酔下に異物摘出を行ったところ,子宮頸部は円筒状の異物に嵌頓していたが,異物除去により色調は改善した.術後,症状は速やかに改善した.虐待対策委員会により性的虐待の可能性は低いと判断され,小児心療内科医の介入を行い退院となった.異物挿入の経緯については不明であった.症例2は13歳女児.自分で鉛筆を挿入したが,キャップが遺残したため来院.特に症状はなし.USとCTで腟内異物を確認し全身麻酔下に摘出を行った.

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