2015 年 51 巻 6 号 p. 1074-1077
症例は在胎36 週,2,910 g で出生した男児.生下時より鎖肛に気付かれ,日齢1 に当院へ新生児搬送された.来院時,会陰部に瘻孔は認められず,尿中への胎便混入も見られなかった.腹部レントゲンでは腹部正中~左側に拡張した腸管ガス像を認め,倒立位レントゲン所見より高位鎖肛と診断.日齢1 に横行結腸に人工肛門を造設した.術後ストーマからの造影を施行したところ,回盲部が右上腹部に認められるとともに6 cm の結腸をはさんで囊状の拡張を認めた.生後7 か月時に腹腔鏡補助下鎖肛根治術を施行した.本症例では結腸盲端部は高位で腹腔内にとどまり,骨盤底筋群も低形成であった.