2004 年 12 巻 1 号 p. 25-33
持続可能な社会を構築するためには,CO2排出を削減することも重要であるが,国土の狭い日本においては,最終処分場需要を減らすことも同様に考慮されなければならない.この観点から,産業連関表・モデルを廃棄物の排出・再資源化・処理過程に関して拡張した廃棄物産業連関表・モデルを用い,家計によって消費される財が直接・間接に必要とする埋立容積を計算し,廃棄物環境家計簿として整理する.廃棄物環境家計簿は,ある財の生産に必要な原料採掘(ゆりかご)から生産・消費を通して廃棄(墓場)までの全ての段階で必要とされる埋立容積を計上する.このため,本研究は家計消費のライフサイクルアセスメントとも位置づけられる.