産業連関
Online ISSN : 2187-3208
Print ISSN : 1341-9803
ISSN-L : 1341-9803
上海経済と「中国その他地域」の相互依存関係
「化学工業」の雇用誘発を中心として
胡 祖耀
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 11 巻 3 号 p. 40-51

詳細
抄録

「改革・開放」以降,特に90年代において,中国経済は産業構造の高度化や国有企業改革などによって急激な成長を遂げた.しかし中国は高度成長を達成すると同時に,雇用問題が深刻になりつつある.都市部の失業に象徴されるこの問題を少しでも緩和させることは,中国の経済成長にとって最も大きな課題となっている.この問題意識を念頭に,これまで中国経済の牽引役を務めてきた上海経済が雇用面において果たした役割を産業連関分析の手法で検証する.具体的には,基幹産業である「化学工業」に焦点をあて1997年において上海の「化学工業」製品の移入がもたらした「中国その他地域」における雇用誘発効果を実証分析する.そのために限られた統計資料を利用し,分析に欠かせない上海と「中国その他地域」の雇用マトリクスを独自に推計した.

著者関連情報
© 2003 環太平洋産業連関分析学会
前の記事 次の記事
feedback
Top