産業連関
Online ISSN : 2187-3208
Print ISSN : 1341-9803
ISSN-L : 1341-9803
中部地域における産業空洞化の雇用への影響
特定産業の外生化による波及効果の計測
小澤 良往
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 11 巻 3 号 p. 29-39

詳細
抄録

近年,景気の低迷とアジア諸国の台頭を背景に産業空洞化が議論されている.中部地域でも円高が進んだ1985年以降,中部地域企業における海外現地法人の設立が増加している.こうした企業の生産拠点のシフトは,企業の競争力を強化する一方で,域内の雇用の減少をもたらす.さらに,関連産業の縮小により技術面での空洞化も発生する.この意味で産業空洞化の影響を推計することは重要である. 本稿では生産拠点を海外にシフトする産業を外生化し,その海外生産シフトの大きさだけ域内生産を減らすことにより,他産業への波及と雇用への影響を求める.この方法は,従来の輸出代替効果を推計する方法より直接的であり,具体的なプロジェクトの影響を評価する場合等に高い実用性を有する.

著者関連情報
© 2003 環太平洋産業連関分析学会
前の記事 次の記事
feedback
Top