磁気記録における記録媒体の雑音と熱揺らぎ,記録ヘッドの磁界強度の3者間にあるトレードオフ関係,いわゆるトリレンマが磁気記録の高密度化への障害となっている.このトリレンマを解決する方法として記録ヘッドに高周波磁界を発生するデバイスを設け,記録媒体において磁気共鳴を起こさせ磁化反転をアシストする方式,マイクロ波アシスト記録が提案された.この方式では非常に大きな異方性を持つ材料を媒体材料として用いることができるため,上記したトリレンマを解決することが期待されている.本報告では高周波発信素子から発生する磁界と素子の磁気特性との関係,および素子内部における磁化の回転モードについて検討したものである.