インテリジェンス・マネジメント
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論文
価値ネットワークに関するインテリジェンスの重要性
インターネット出現時に NTT はどのように競争環境を見ていたか
石松 宏和杉原 太郎井川 康夫
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2010 年 2 巻 1 号 p. 17-27

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抄録

従来のコンペティティブインテリジェンス研究では,製品とサービスが明確に区別されてこなかった。しかし隣接学問領域においては,製品とサービスに関する共有部分や差に関する議論が活発に行われている。この流れを受けて本論文では,従来のコンペティティブインテリジェンスとサービスのコンペティティブインテリジェンスの差に関する仮説提示により,サービス産業におけるコンペティティブインテリジェンスへの学術的寄与を目的にする。具体的には NTT が,インターネット出現時に自社の競争環境をどのように認識していたかの単一事例研究を行った。製品とサービスを切り分ける視点はChristensen が提唱した価値ネットワークに求め,技術インテリジェンスと対比して分析した。結果として,(1)技術インテリジェンスと価値ネットワークに関するインテリジェンスは独立して扱うことができる,(2)自社の技術が競合他社に比べて大きく遅れていない場合,価値ネットワークに関するインテリジェンスが競争力の源泉となるという二つの仮説が生成された。

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© 2010 特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
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