2013 年 35 巻 Special_Issue 号 p. 79-84
労働安全衛生法(安衛法)が制定されて40年が過ぎた.本稿では安衛法に基づく作業環境管理について概観する.作業環境管理は,環境中の有害要因の評価と排除を主とし,産業医にとって,健康管理と同じく重要な職務である.作業環境管理も評価と対策のサイクルをもって行う点は診断と治療のサイクルの健康管理と共通している.作業環境管理は,歴史的に法律に基づいた有害な作業別に指示する作業列挙方式から作業環境ごとの管理濃度に基づく濃度管理方式へ移行した.さらに最近は,管理濃度が設定されていない新規化学物質を対象にコントロール・バンディングによる方法も検討されている.