脳神経外科ジャーナル
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約2年間にわたり感染徴候なくV-P shunt腹側tubeが結腸内へ迷入していた1例
高安 武志岐浦 禎展富永 篤栗栖 薫
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2005 年 14 巻 8 号 p. 517-521

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抄録

V-P shunt腹側tubeが, 無症候性に下行結腸内へ迷入していた32歳女性の症例を報告する.出生時に二分脊椎を認め, 1歳時にV-P shunt術を施行された.Shunt最終入れ替えは26歳時であった.32歳時, 腹部CTにて偶然に腹側tubeの下行結腸内迷入を認めた.過去のCTで約2年間の迷入が判明した.発見の約3年10カ月前の腹部単純X線写真では, その時点での迷入を示唆する所見を認めた.腹側のみの再建術では, 腹壁膿瘍を形成した.長期にわたる迷入例では, 全shunt変更術等の拡大処置が必要である.また, 長期V-P shunt留置例では, 定期的に腹部単純X線写真にてtubeの位置を確認する必要がある.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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