2004 年 13 巻 5 号 p. 401-406
初回破裂時には,径5mmのcarotid caveの嚢状動脈瘤が明らかであったため,同部に対する血管内手術を施行し完全閉塞が得られたが,その際には明らかでなかった後交通動脈分岐部破裂動脈瘤がその後増大し再出血した,多発性動脈瘤の1例を経験した.直接動脈瘤を確認できない血管内手術の場合,真の破裂動脈瘤なのかの判断はきわめてむずかしい場合があるが,治療成功後も疑わしい部分があれば,早期のfollow-upの血管撮影が重要であると思われた.特にcarotid caveの小さい動脈瘤の破裂率は低いため,他に真の破裂動脈瘤がないか,十分な検索が必要と思われた.