日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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総説
サルコイドーシスの心病変による不整脈や心不全に対する最新治療
諸井 雅男
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2019 年 39 巻 1_2 号 p. 39-43

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抄録

 心臓サルコイドーシスには一般にステロイドが有効とされているが,使用に際しては患者個別に活動性炎症,生存心筋,線維化の程度および部位を評価する必要がある. 心不全症例で心筋の線維化が中等度以上ある場合には,ACE阻害薬,ARB,β遮断薬,アルドステロン拮抗薬に予後改善効果が期待できる.QOLの改善には利尿薬,血管拡張薬,カテコラミン,PDE阻害薬がある.デバイス治療として,両室ペーシング(CRT)およびヒス束ペーシングが注目されているが,その効果は均一ではなく,個別に判断が求められる. 徐脈性不整脈に対する治療はペースメーカーがある.頻脈性不整脈に用いる薬物にはβ遮断薬,アミオダロンがある.薬物抵抗性の場合にはカテーテルによる心筋焼灼術を考慮する.心停止の既往もしくは持続性心室頻拍の既往がある患者,あるいは低左心機能で非持続性心室頻拍がある患者には植込み型除細動器(ICD)の適応がある. 65歳未満であれば心臓移植も治療の1つである.

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© 2019 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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