日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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一般演題:口演2
剖検輯報からみたサルコイドーシス剖検例の検討: 1990 年〜2012 年
武村 ⺠子立花 暉夫岩井 和郎
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 56-3

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抄録

【背景・目的】剖検輯報による我が国のサルコイドーシス(サ症) 剖検例の検討は岩井他(1953〜89 年)、立花他(1990~99 年)の報 告がある。今回 2012 年までの剖検例の実態を明らかにする。 【方法】1990 年から 2012 年の 23 年間の剖検輯報からサ症が主・ 副診断名として記載されている例を検討し、これまでの報告と比 較した。 【結果】剖検数は経年的に減少しており、サ症 718 例(男 289 例、 女 429 例)のうち生前サ症の診断は 301 例、剖検時平均年齢は 1990 年 58.8 歳から 2012 年 72.8 歳と高齢化が顕著で 80 歳台 90 例, 90 歳以上 13 例であった。主要な侵襲臓器は心サ症 180 例、 肺サ症 128 例のうち肺線維症合併は 37 例にみられた。多重癌を 含む悪性腫瘍は 221 例(肺癌>胃・大腸癌>血液・リンパ系)。合 併症による死亡 351 例(49%)の内訳は悪性腫瘍 143 例、心血管 障害 86 例、感染症 45 例で、合併症による死亡が増加傾向にある。 90 歳以上の 13 例の死因はサ症 5 例, 悪性腫瘍 2 例、感染症 4 例、 心血管障害 2 例であった。 【考察と結論】サ症剖検例において顕著な高齢化とともに合併症 の増加が確認された。

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