滋賀県南部桐生水文試験地のヒノキ(Chamaecyparis obtusa)人工林において土壌呼吸量の時間的, 空間的変動と,それらに対する地温,土壌水分の影響に関する調査を行った。調査は,流域内に内部を1 m間隔に区切った4 m×4 mのプロットを4箇所設置し,その格子点上の土壌呼吸量,地温,土壌水分の測定を行った。土壌呼吸量は,時間的には地温に大きく依存すること,各プロット内では,そのプロットの平均値周辺を中心とした頻度分布を示すこと,プロット間の比較から,土壌水分の高いプロットや,夏場の乾燥の影響が大きいプロットで小さくなることが示された。各プロットにおける年間土壌呼吸量は,地温との関係から,454-566 gC/m2/yrと推定された。