総合健診
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胃X線像によるHelicobacter pylori感染診断の可能性
奥田 順一内山 和彦井田 和徳黒田 雅昭
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2002 年 29 巻 5 号 p. 894-898

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抄録

施設健診の胃直接X線像における胃底腺粘膜のひだの幅, 胃底腺粘膜胃小区型, 腺境界型からHelicobacter pylori (H.pylori) の感染診断の可能性を検討した。H.pylori感染はHM-CAP法による血清H.pylori-IgG抗体を用いた。胃X腺像の粘膜ひだの幅は4mm以上をH.pylori感染陽性, 4mm未満を陰性, 胃小区型ではF1型陽性, F0型陰性, 腺境界型ではC1~O2型陽性, C0型陰性とすると各所見の感度・特異度はそれぞれ93.9%・62.5%, 92.7%・90.9%, 94.5%・68.0%であった。さらにその3項目の中の確実な所見による総合的なH.pylori感染の診断率を求めると, 感度97.4%, 特異度74.1%で, 診断不能症例は少なくなり, 健診例だけでなく臨床例での直接胃X線像からもH.pyloriの感染診断が可能であると考えられた。

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