静脈学
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原著
大伏在静脈瘤に対する内翻式ストリッピング術
吉田 博希稲葉 雅史福山 貴久
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2013 年 24 巻 4 号 p. 426-431

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抄録

要約:当科で内翻式ストリッピング術を導入した2007 年9 月より2012 年4 月までの55 カ月間に手術を行った大伏在静脈瘤123 例164 肢を対象とし,その治療成績について検討した.年齢は24〜87 歳,平均61.4 歳,男性44 例,女性79 例であった.手術は内翻法によるsapheno-femoral junction(SFJ)から膝下までの限局的ストリッピング術を標準術式とした.内翻法で完遂できたものは76.2%であったが,専用の内翻式ストリッパーに限ると82%であった.不全穿通枝結紮を45 肢(27%)に追加した.合併症は術後出血が1 例,接触性皮膚炎が3 例,神経障害は創周囲の違和感など軽微なものを含めると11 肢(6.7%)であった.抜去部の皮下血腫による問題は認めなかった.2 例が術後19 カ月目に下腿部の不全穿通枝に起因する静脈瘤を発生し,穿通枝結紮術を追加した.Follow up 可能であった症例において,SFJ に起因する静脈瘤の再発は認めなかった.

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