静脈学
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原著
下腿皮膚病変を伴う下肢静脈瘤症例に対する two-port system SEPS(内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術)の術式と成績
松村 博臣宮田 圭悟
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 23 巻 4 号 p. 371-374

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抄録

●要  約:慢性静脈不全症に伴って下腿皮膚潰瘍等が発生するのは,穿通枝での逆流が原因とされている.治療には不全穿通枝の切離が有効である.不全穿通枝の処理方法として,Linton手術が行われてきた.皮膚病変部を直接切開するため,創合併症が高頻度に発生した.このLinton手術の理論に内視鏡下手術手技を融合させたのが,内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(subfascial endoscopic perforating vein surgery; SEPS)である.当科では2本のXcelポートを下腿筋膜下腔に挿入して,二酸化炭素を送気するtwo-port system SEPS(TPS-SEPS)を行っている.Xcelポートによって下腿筋膜下腔へのアプローチが迅速かつ安全にできるようになった.また二酸化炭素の送気によってワーキングスペースが広くなった.本術式は,下腿皮膚病変を伴う下肢静脈瘤症例に対する有用な手術法である.

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