静脈学
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症例
下肢静脈瘤手術後に発症したコンパートメント症候群の2例
渡部 芳子佐伯 直純槇村 進佐々木 司小櫃 由樹生石丸 新
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2004 年 15 巻 5 号 p. 403-407

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抄録

下肢静脈瘤術後にコンパートメント症候群を生じた2例を提示し,その原因を検証する.症例1は39歳男性,症例2は46歳男性.いずれも左下肢静脈瘤に対し,左大伏在静脈ストリッピング術および下腿内側の静脈瘤切除術を施行した.数時間後,左前脛骨部に強い疼痛と浮腫を生じた.左下腿前区画におけるコンパートメント症候群の診断にて,減張切開術を施行した.症例1は,前脛骨筋が壊死に陥り尖足が遺残した.原因は,術中ないしは術後の包帯処置による緊縛であろうと推察された.また,症例2では術前から慢性コンパートメント症候群を示唆する症状を認めていた.症例はともに壮年期の筋肉質な男性であった.下腿筋群が発達した症例にはコンパートメント症候群を生じやすい素因があることから,包帯処置にはより厳重な注意が必要であることを再認識した.

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