体外循環技術
Online ISSN : 1884-5452
Print ISSN : 0912-2664
ISSN-L : 0912-2664
原著
日本における補助人工心臓に関連した市販後のデータ収集(J-MACS)の業務負担に関する調査
長江 祐吾柏 公一木下 修小野 稔松山 裕大橋 靖雄
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 41 巻 4 号 p. 451-459

詳細
抄録

補助人工心臓を植込む際は患者情報を市販後追跡調査であるJ-MACS(Japanese Registry for Mechanically Assisted Circulatory Support)に登録する必要がある。本研究ではJ-MACSが臨床現場でどのように受け入れられ、どの程度の業務負担になっているかを調査した。植込み認定施設と製造販売業者を対象に、自記式調査票を用いて登録に対する意識調査を行った。J-MACSへのアクセスログを解析し登録作業の実態を調査した。依頼した27施設のうち15施設(31人)と業者3社(8人)から回答があった。半数が登録作業は他の業務に支障を来すと回答した。J-MACSが患者管理に役立つと回答した者は26%だった。登録作業のモチベーション維持要因は、成果の公表が31%で一番多かった。削除してもよい登録内容や時点は一部に限られた。登録作業の所要時間は44%が10分以内だった。登録内容や時点は概ね受け入れられており、参加者は大幅な改定よりもデータが有効に活用されることを望んでいた。1回の作業時間は短いものの回数が多いことが負担となっていると推察された。

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本体外循環技術医学会
前の記事
feedback
Top