1998 年 24 巻 3 号 p. 42-45
要旨ローラーポンプの欠点であるポンプヘッドのすり潰しによる溶血の発生や,不慮の回路閉塞による回路内の異常高圧の発生などを解消するため開発された,Better Header(ポンプinlet部からoutlet部にPressure relief valveを取り付けてある)を,安全性,機能性および溶血発生について実験的に評価した。その結果,ローラーポンプ駆動中に送血チューブをクランプしても異常高圧を発生することはなく,プレッシャーリリーフバルブの精度も信頼できるものであった。溶血の発生量が,通常のオクルージョン法より少ない結果であったノンオクルーシブオクルージョン(ボンブヘッドをルーズにかつバックフローが10%以下に設定する)は,Better Headerを使用することによって簡便に設定することができた。以上のことから,Better Headerはローラポンプによる体外循環の安全性を高め,溶血の発生を軽減できた。