環境化学
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凝集沈殿および吸着による廃水からのホウ素除去
田口 洋治高橋 庸介岩倉 智子山口 東吾馬場 貞雄
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2001 年 11 巻 3 号 p. 557-565

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抄録

廃水からホウ酸を除去するために, 無機凝集剤として硫酸アルミニウムまたは硫酸鉄を用いた凝集沈殿実験と活性炭または活性アルミナを用いた吸着実験について検討した。その結果次の結論を得た。
凝集沈殿実験より, 硫酸アルミニウムを用いpHを9に調整する時, ホウ酸含有廃水に過酸化水素と水酸化カルシウムを加えると, 95%のホウ酸除去率が得られた。除去されたホウ酸の大部分は生成沈殿物の表面に吸着したものであると考えられた。その理由は, 希塩酸で沈殿を溶解すると, 溶解の初期段階で高濃度のホウ酸が観察されたからである。
吸着実験より, 活性炭はホウ酸を吸着する能力のあることが判明した。25℃で72時間, 濃度10mg/lの溶液を活性炭に接触させると, 0.14mg-B/g-吸着剤の吸着量が認められ, その吸着能は活性アルミナの吸着能より勝っていた。

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