2019 年 45 巻 3 号 p. 300-304
我々は,局所進行外耳道扁平上皮癌に対する治療成績,特にドセタキセル,シスプラチン,5-FUの併用(TPF)の化学療法同時併用放射線療法(CCRT)の治療成績と安全性,および腫瘍の進展範囲と予後との関係を検討した。対象は当科で根治治療を行った外耳道癌扁平上皮癌で,ピッツバーグ分類のT3-4の21症例とした。その結果,硬膜と顎関節への進展が頸部転移と相関を示し,顎関節への進展が局所再発と相関を示した。全症例の2年粗生存率(OS)は61.1%,2年局所制御率(LC)は52.1%であった。CCRT症例では,TPF併用の2年OSは85.7%,それ以外では25.0%,TPF併用の2年LCは57.1%,それ以外では25.0%であった。また,TPF併用CCRTにおけるG3以上の白血球減少は55%,好中球減少は45%であった。TPF併用のCCRTは局所進行外耳道扁平上皮癌に対して高い有効性と安全性を示した。