頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
原著
当科における局所進行外耳道扁平上皮癌の治療成績の検討
加納 里志森田 真也中丸 裕爾水町 貴諭対馬 那由多鈴木 崇祥中薗 彬福田 篤安田 耕一鬼丸 力也白土 博樹本間 明宏
著者情報
キーワード: 外耳道癌, TPF, CCRT
ジャーナル フリー

2019 年 45 巻 3 号 p. 300-304

詳細
抄録

我々は,局所進行外耳道扁平上皮癌に対する治療成績,特にドセタキセル,シスプラチン,5-FUの併用(TPF)の化学療法同時併用放射線療法(CCRT)の治療成績と安全性,および腫瘍の進展範囲と予後との関係を検討した。対象は当科で根治治療を行った外耳道癌扁平上皮癌で,ピッツバーグ分類のT3-4の21症例とした。その結果,硬膜と顎関節への進展が頸部転移と相関を示し,顎関節への進展が局所再発と相関を示した。全症例の2年粗生存率(OS)は61.1%,2年局所制御率(LC)は52.1%であった。CCRT症例では,TPF併用の2年OSは85.7%,それ以外では25.0%,TPF併用の2年LCは57.1%,それ以外では25.0%であった。また,TPF併用CCRTにおけるG3以上の白血球減少は55%,好中球減少は45%であった。TPF併用のCCRTは局所進行外耳道扁平上皮癌に対して高い有効性と安全性を示した。

著者関連情報
© 2019 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top