日本消化器外科学会雑誌
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切除しえた転移性膵腫瘍の3例
石榑 清川瀬 義久金住 直人大島 健司小竹 克博粕谷 英樹澤田 憲朗野浪 敏明原田 明生中尾 昭公
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2000 年 33 巻 9 号 p. 1686-1690

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抄録

症例1は55歳の男性. 頭蓋内のhemangiopericytic meningiomaを手術された後, 頭蓋内, 肝, 肺, 頸椎に再発を繰り返したがすべて切除されてきた. 初回術後18年目に膵体部に転移を認め, 膵分節切除術を施行した. 2年6か月後に全身への多発転移で死亡した. 症例2は79歳の男性. 11年前に直腸癌で直腸切除術, 8年後に肺転移にて右肺中葉切除術を施行されていた. 今回CEAの上昇を機に膵体部に転移が見つかり膵体尾部切除術を施行した. 術後1年2か月, 癌性腹膜炎で死亡した. 症例3は39歳の男性. 背部のleiomyosarcomaを切除して2年後に上腹部痛が出現し, 腹部CTで膵頭部に転移を認めた. 膵頭十二指腸切除術を施行し, 術後11か月の現在肺再発があるが生存中である. 転移性膵腫瘍の診断, 治療にあたっては, 原発巣の特徴を考慮に入れてすすめることが重要である.

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