2015 年 9 巻 4 号 p. 192-196
【目的】動脈瘤治療時のアシストバルーンとして認可されたダブルルーメンバルーンカテーテルであるスーパー政宗を臨床応用した.【症例1】73 歳女性,未破裂内頚動脈瘤.塞栓術の初期段階のおいてはスーパー政宗を通常のマイクロカテーテルとして使用した.塞栓術の終盤でスーパー政宗を拡張させ,その内腔から塞栓を継続した.【症例2】68 歳女性,未破裂脳底動脈瘤.動脈瘤は,急峻な角度で分岐する右後大脳動脈に多く騎乗していた.このため左後大脳動脈にスーパー政宗を誘導し,右後大脳動脈に突出させるようにバルーンを拡張した.【結論】多彩な機能を持つスーパー政宗は動脈瘤の治療戦略を大幅に拡大させる可能性のあるデバイスである.