Rhabdoid tumorは, 起源不明の悪性腫瘍で本来は小児の腎腫瘍として報告されたが, 軟部組織に発生することもある. 今回われわれは診断に苦慮した側胸部軟部組織発生の1例を経験したので報告する. 症例は45歳女性. 近医にて側胸部腫瘤を除去し, 摘出材料の捺印細胞診を依頼された. 細胞像からは, 第一に印環細胞癌の転移を考えた. しかし, 核縁肥厚に欠け比較的大型の核小体を有することなどから, 非上皮性悪性腫瘍も否定できないと思われた. 病理組織学的にはH-E所見, 免疫組織化学的検索, 電顕的検索などの結果, Malignant rhabdoid tumorの診断を得た.