日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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特発性間質性肺炎に著効したクロロキン療法の経験
山本 剛松本 一郎満留 昭久原田 達夫小田嶋 博
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2003 年 14 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

急性間質性肺炎に対しクロロキンを投与し著効した7ヶ月女児例を報告する。発熱・咳噺・多呼吸にて発症し, 胸部X線写真上びまん性スリガラス様陰影を呈し急性1呼吸不全に進行した。3回に及ぶステロイドパルス療法およびステロイド内服による維持療法にて症状の増悪を繰り返したため, 海外においてその効果が報告されているクロロキン療法を行った。10mg/kg/性を分2で6ヶ月間内服投与した。ステロイド内服および酸素投与が中止可能なまでに改善し, 体重増加も認め著効を示した。クロロキンは不可逆性の網膜症の合併が問題となり現在本邦では販売されていない。しかし海外の小児報告例では上記使用法にて網膜症の合併は見られていない。急性問質性肺炎をはじめとする特発性問質性肺炎は予後不良な疾患で肺移植の適応を余儀なくされる場合もある。国内では小児の肺移植は未だ困難な状況であり, 有効な薬物治療としてクロロキン療法を確立すべきである。

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