臨床神経学
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症例報告
吃逆を主訴とし,infliximabが奏効した難治性神経ベーチェット病の1例
門脇 傑松田 希守谷 新蛯谷 征弘吉原 章王中村 耕一郎望月 仁志宇川 義一
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2011 年 51 巻 4 号 p. 261-266

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抄録

症例は22歳男性である.ぶどう膜炎あり.難治性吃逆の精査で撮影された頭部MRIにて,左中脳~視床を中心に造影効果をともなう病変をみとめ当科に精査入院となった.右同名上1/4盲,左散瞳・対光反射消失,左不全片麻痺と両側錐体路徴候をみとめ,HLA-B51陽性,髄液中IL-6は998pg/mlと著増していた.神経ベーチェット病と診断しステロイド,メソトレキセートなどで加療したが髄膜炎などで再発をくりかえした.infliximab 5mg/kgを0週,2週,6週,以後8週毎に投与したところ,再発を以後みとめず,髄液中IL-6値も低値で維持できた.infliximabは難治性神経ベーチェット病において有効と考えられた.

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© 2011 日本神経学会
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