2013 年 53 巻 11 号 p. 1225-1227
片頭痛は支障度の高い疾患である.慢性片頭痛群(頭痛日数が月に15日以上もの;CM群)と頭痛日数が15日未満の反復性片頭痛群(EM群)を比較したばあい,CM群は日常生活への支障度が高く,生活の質が低下していた.またCM群ではEM群に比し,生産性の損失が大きく,フルタイム雇用が少なかった.医療経済学的には受診・検査・治療にかかる費用はCM群ではEM群の2~3倍多く,これらの直接経費と生産性の低下による間接経費を合わせると片頭痛慢性化による多くの経済学的損失が考えられた.