2004 年 9 巻 1 号 p. 51-55
キタホソオツパイnorthern smooth-tailed tree shrew(Dendrogale murina)に対する非破壊検査として,軟エックス線,comouted tomography (CT)およびmagnetic resonance imaging(MRI)を応用した。いずれの画像診断法も非侵襲的な形態観察が可能であった。軟エックス線像は骨格系の観察に優れたが,透過像であるため軟部組織が重複した。三次元CTは骨格および皮膚面の多方向からの観察が可能であったが,解像度には限界があった。 MRIは多方向からの断層画像による形態観察が可能であったが,金属異物による磁化率アーチファクトが出現した。以上,画像診断法は稀少動物の非破壊検査として利用できることが示唆された。なお,画像診断手法は観察の目的により選択することが重要である。