生理心理学と精神生理学
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トレイン光視覚誘発電位の二元過程モデル
吉田 茂
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1990 年 8 巻 2 号 p. 71-80

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抄録

本研究は, 系列光刺激に対する視覚誘発電位 (トレインVEP) に対して, 二元過程モデル (吉田, 1990) を適用したものである.視角で2°と5°の小円形の光刺激を, 3つのコントラスト・レベル (1.0, 2.2, 3.4) で提示した.パルス光の幅は10msで, 1sの間に, それぞれ, 50,100,200msの刺激間隔で.与えた.後頭中心部 (Oz) からの典型的なVEPを分析した.本モデルでは, トレインVEPは, オン・オフの二元過程 (興奮・抑制過程), および明順応によって潜時が減少する後期律動波から成るものと仮定した.このモデルの13のパラメーターは, フレッチャー・バウエル法と重回帰法によって決定した.こうして合成されたモデル波形は, 原VEPとよく適合しており, また, 振幅の初期減少過程や後期増大過程も表現できた.トレインVEPのコントラスト・ポテンシャルは, 定常VEPおよび心理事象と密接な関連をもつことが示された.

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© 日本生理心理学会
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