2020 年 20 巻 3 号 p. 3_116-3_123
本論文では,日本海中部地震(1983年)における青森県内にあるため池堤体の被害要因特性を,当時のため池の被害状況や想定震度分布図,周辺地域の地形・地質条件,堤体材料,基礎地盤材料ならびに,ため池台帳資料等を用いた地理情報システム(GIS)で再検証した.その結果,日本海中部地震でのため池堤体の被害要因は,堤体と基礎地盤の構成材料に起因すると考えられ,特に,砂質土材料が用いられた場合に被害発生割合は高く,砂質土材料における液状化の影響によるものだと考えられる.