2003 年 109 巻 3 号 p. 166-178
横浜地域の大船層中部~小柴層下部に挟在するテフラ鍵層と,房総半島の黄和田層下部~中部に挟在するテフラ鍵層を重鉱物組成,火山ガラスの形態及び化学組成に基づいて対比した.その結果,大船層中部のテフラSg3,小柴層下部のテフラSg2及びSg1はそれぞれ,黄和田層下部~中部のテフラ鍵層Kd38,Kd25及びKd24こ対比された.あわせて行った石灰質ナンノ化石と浮遊性有孔虫化石の検討によってもこの結果は支持される.したがって,大船層中部~小柴層下部は,従来言われていたように黄和田層中部~梅ヶ瀬層に対比されるのではなく,テフラ鍵層Kd19より下位の黄和田層に相当することになる.このことは,横浜地域の第四系の年代論に大幅な見直しが必要であることを意味している.